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ひと言に「断熱」と言っても、住宅の断熱にはいろいろな種類と方法があり、リフォームする箇所の優先順位もあります。前回はリフォームの優先箇所についてお話しました。
今回は、断熱の種類と方法について紹介していきます。
断熱の種類と方法
ここでは断熱の種類を「窓の交換・追加」と「断熱材の施工」の2つに分けてお話します。
窓の交換・追加
1つ目は『窓の交換・追加』です。
住宅の断熱で1番重要なのが開口部の断熱です。(開口部とは窓・玄関扉・勝手口扉のことを指します。)
夏の冷房時の室外からの熱の侵入・冬の暖房時の室内の熱の損失は、それぞれ窓がダントツ1番!
壁・天井・床下に断熱材が入っているから安心というわけではないのです。
また、断熱材が入っていないお家でも、断熱をお考えの方には優先して取り入れていただきたいところになります。
では、窓ガラスの交換・窓の交換・内窓の追加についてお話しします。
窓ガラスの交換
窓ガラスの交換とは、現在のサッシはそのまま。ガラス部分のみを入れ替えるといった方法になります。(単板ガラス→複層ガラス)ガラス部分のみの交換なので見た目は変わりません。
・断熱効果がアップする
・結露防止になる
・防音効果がアップする
・工事費用が安い
・短時間で取付けできる
・サッシを変えないので、サッシ部分の結露は防げない
・アタッチメントを使い既存の窓枠に装着するが、ガラス部分が厚くなるので網戸に当たったり、開閉に支障が出たり、取付けできないといったこともある
窓の交換
窓の交換は、既存の窓に新しい窓をかぶせて取り付ける「カバー工法」と、壁を壊して新しい窓を入れる「はつり工法」があります。窓ごと交換するので見た目が変わります。
カバー工法
・窓ごと交換するので断熱効果がさらにアップ
・窓ごと交換するのでサッシも結露防止
・窓ごと交換するので防音効果がさらにアップ
・壁を壊さないので、短時間で取付けができる
・はつり工法と比べると価格が安い
・窓ガラスの交換と比べると費用がかかる
・既存の窓に設置するため、開口部が一回り小さくなる
はつり工法
・窓ごと交換するので断熱効果がさらにアップ
・窓ごと交換するのでサッシも結露防止
・窓ごと交換するので防音効果がさらにアップ
・カバー工法のように開口部が狭くならない
・窓ガラスの交換と比べると費用がかかる
・カバー工法と比べると費用がかかる
・壁を壊すので工期がかかる
内窓の追加
内窓の追加は既存の窓はそのまま、室内側にもう1つ窓を作ってしまおうというものです。窓を追加することで見た目が変わります。
・断熱効果がアップする
・結露防止になる
・防音効果がアップする
・壁を壊さないので、短時間で取付けができる
・窓ごと交換するより価格が安い
・窓を開ける際に手間になる
・掃除の手間が増える
・窓枠部分に設置するので場合によっては施工が出来ないこともある
壁・天井・床への断熱材施工
2つ目は『壁・天井・床への断熱材施工』です。
住宅の断熱リフォームで多くの方が一番に考えられるのはこちらではないでしょうか?
1つ前で開口部の断熱が大切だとお話ししましたが、断熱窓に交換した後は、断熱材の施工です。
窓ガラスに比べ断熱材は厚みをとれるので、2つをセットで考えられると住宅の断熱性能としては素晴らしいですね
また、断熱材にはたくさんの種類があるのですが、どんなに高くて良い断熱材を使っていても、正しい施工がされていないと断熱の効果は発揮されません。ご自分で施工される場合は細心の注意を払い、業者にお願いする場合は、目には見えないところだからこそ信頼できるプロにお願いしましょう。
では、断熱材の種類・施工方法・施工箇所についてお話していきます。
断熱材の種類
断熱材には大きく分けて、繊維系・自然系・発泡プラスチック系があります。
既に断熱材は入っているというお家でも、十分な厚みがなかったり、隙間があったりすると断熱性能はぐんと下がってしまいます。
そんな場合でも、種類によっては既存の断熱材に追加する形で施工をして厚みを出したり、隙間を埋めるということも可能です。
断熱材にはたくさんの種類があり、ボード状・マット状・ばら状(綿状)・現場発泡など形状も様々です。
そして、それぞれにメリット・デメリット、向き・不向きもあります。
施工方法
断熱材の施工方法には内断熱(充填断熱工法)と外断熱(外張断熱工法)があります。
内断熱(充填断熱工法)
柱や梁などの構造躯体の内側に断熱する工法。
昔から日本では一般的な工法で、グラスウール・ロックウール・セルロースファイバーなどの繊維系断熱材が主に使われます。
鉄筋コンクリート造のものを「内断熱」、木造・鉄骨造のものを「充填断熱工法」と呼び方が変わります。
■工事が容易なため 価格が安い
■建物形状を問わない
■劣化しにくい
■隙間が出来やすい
■防湿気密に注意が必要
■柱や梁など断熱されていない部分からは 熱が伝わる
外断熱(外張断熱工法)
柱や梁などの構造躯体の外側に断熱する工法。
高温多湿の日本に向いており、近年注目されている工法で、ウレタンフォーム・ポリスチレンフォーム・フェノールフォームなどのプラスチック系断熱材が使われます。
鉄筋コンクリート造のものを「外断熱」、木造・鉄骨造のものを「外張断熱工法」と呼び方が変わります。
■隙間が出来づらい
■結露しにくい
■柱や梁ごと断熱材で覆っているので、外気の影響を受けづらい
■価格が高い
■経年劣化の恐れがある
■複雑な建物形状には向かない
■断熱材の重みで外壁が垂れ下がる恐れがあるので、厚みをとれない(50mm程度が限界)
■施工が難しく技術が必要
施工箇所
壁・天井・屋根・床への施工がありますが、場所によって工事の方法や工事期間や価格も変わってきます。
壁
■壁を壊して施工する
■家具や荷物を動かす必要があり、工期もかかる
■壁を壊すので価格が高い(内装リフォームなどと一緒に進めると◎)
■壁を壊して施工する
■壁を壊すので工期がかかる
■壁を壊すので価格が高い(外壁リフォームなどと一緒に進めると◎)
天井(または屋根への施工)
■天井を壊さず小屋裏より施工する
■天井を壊さないので、工期は短く価格は安い
■屋根への施工に比べ面積が少ないので、工期は短く価格は安い
■結露が出来やすいので換気必須
■天井を壊して施工する
■天井を壊すので家具や荷物を動かす必要があり、工期がかかり価格も高い(内装リフォームなどと一緒に進めると◎)
■屋根への施工に比べると面積が少ない分、価格を抑えられる
■結露が出来やすいので換気必須
屋根(または天井への施工)
■屋根を剥がさず小屋裏から施工する
■屋根を剥がさないので、工期は短く価格も安い
■天井への施工に比べると面積が広い分、価格は上がる
■屋根の通気必須
■屋根を剥がして施工する
■屋根を剥がすので、工期がかかり価格も高い(屋根の葺き替えリフォームなどと一緒に進めると◎)
■天井への施工に比べると面積が広い分、価格は上がる
■屋根の通気必須
床
■床板を剥がして施工する
■床板を剥がすので家具や荷物を動かす必要があり、工期がかかり価格も高い(張り替えリフォームなどと一緒に進めると◎)
■仮住まいへの引っ越しが必要な場合は、その分の費用も発生する
■床板を剥がさず施工する
■床板は剥がさないので、工期は短く価格も安い
■引っ越し不要
まとめ
断熱リフォームにおいては
1番重要なのが窓(開口部)の断熱!
窓ガラスのみの交換もできるけれど、より断熱効果を高めるためには窓ごと交換するのがおすすめ!結露対策にも!
断熱材の施工は 厚みを出せる分 効果は大きい!技術が必要な材もあるので 業者選びが重要!
壁・天井・床を壊す施工か壊さない施工かで 工事期間や価格が変わってくるので 選択のポイントになる!
お金がかかることだからこそ、断熱リフォームする箇所やどの様な方法を選ぶかは慎重になりますよね?
色々なパターンをお話ししましたが、悩みはそれぞれ、お家もそれぞれですので、まずは信頼できる業者探しを!
お悩みを相談し きちんと現場調査をしてもらってから、納得のいく断熱リフォームを進めていただきたいと思います。
テオリアランバーテックでは、セルローズファイバーを使用した断熱リフォームを行っております。
長野の寒ーい冬には、引っ越し不要の『床下断熱リフォーム』!気になることがありましたら、お気軽にテオリアランバーテックまでお問い合わせくださいませ!(^^)/
執筆者
Ikeda |
寒さは苦手な夏生まれ女子。断熱・シロアリ・エクステリアを勉強中。 ふわふわかわいい『セルローズファイバー』、寒い住宅の原因や対策などなど・・・ 体もお財布も温める情報を発信していきます! |